The love that breathes

例えば空を見上げるような.

瞬間と、経過

Endless SHOCK 2019 2/22

 

観劇して参りました。SHOCK観劇は2017年ぶり2回目です。深い知識はなにもないので感じたことを書き留めています。

 

・前回は物語の顛末や仔細を知らず観劇したので、これでもかと重ねられる華やかさと真に迫る演出、そしてストーリー自体に驚きを抱えることで満ちていました。今回はその結末に向かう物語として、ああリカが固まるのは手の冷たさを感じてしまったからだとか、伏線的なものにも意識が向いた分、余計にコウイチの命のこと切れとその後振り絞るように輝く姿をただただ見詰めていて、結論を言えば泣いていました。初回は泣かなかったのに(;;)

・2017年に見たときよりも、物語の流れは流暢になっていたように思います。この後にBが起こるから今Aの発言や立ち振る舞いをしている、がより明確だったような気がします。コウイチの物事に対する反応もどんどん自然に見えていく。

・反して演出のダイナミックさは少しずつ抑えられていたように思いました。演目がひとつアクティブなものからしっとりした楽曲に変わっていた(合ってるでしょうか)り。光一さん自身の肉体表現も、きっと年々勢いや熱量のようなものは自然の摂理として静けさを得ていって、然してそれに反比例する形で1つ1つの演目への集中力や込められた意志が濃縮されているように感じて。熱さと数でなく、要所集中で質が高まっているような。圧倒されるから息を飲む、にフライングから感じる印象が少し移り変わっていました。光一さんご自身は回復は遅いけど体力の衰えはさほど感じないと仰っていて、けれどおじいちゃんになっても今日と同じ演出ができる舞台ではない。だからこそ異なる魅力が高まって総合的に年々質が上がっていくのかな…と思っていたりします。

・その一極集中を強く感じたのがフライングで。万万万が一予定でないことが起きたら…みたいな守りの感情はどんどん薄れて、ああ光一さんが今目の前で命を賭して飛んでいる…みたいな覚悟とか鬼気迫るもののような、息を飲むような瞬間になっていて。だからこそ表裏一体で、その一瞬一瞬が美しく、コウイチの命を感じたからこそ泣いていたように思います。

・上の記述、パンフを読んだら光一さんがジャニーさんが好きな舞台からは少し離れたかもしれない、けれどこれからSHOCKを続けていくにはどんな舞台にしていくか、その節目の年になるかもしれない…という趣旨の話をされていて、すごく感じることがありました。40歳という年齢は後付けになると思うのですが、光一さんがこの舞台を成し遂げ続けるために思考し志向していくこと、納得感があって。

・コウイチとウチがそれぞれの思いをそれぞれの歌詞で歌って時々リンクしたり、コウイチとオーナーと(どなただったか…)が3人それぞれ歌ったり、ナイツ・テイルで圧倒された手法がとられていました(同時に陽炎やらTopaz Loveを思い返すキンキファン←)。個人的にすごく好きで、ナイツ・テイルは4声基本バラバラな心象を歌うシーンがあって「凄いけどおのおの何言ってるかわからん!」と思っていましたがSHOCKはなんとか聞き分けられてああそうだよね互いに思いすれ違っているよね…と感じられました。多分光一さんの感覚だったりジャニーズの舞台を見に来る層への配慮みたいなバランスをとっておられたのかなと感じたり。

・光一さんの歌声、ナイツ・テイルで主役を張るための発声を向上せざるを得ない環境を経て磨かれていて、特に高音地声で張る時もしんどそうな瞬間が減っていたように思います。最後みんなの声が重なる時、美波里さんの声がひとつ特徴的に出てるな…と一昨年は思ったのですが、今年はきちんと一本コウイチの声が聞こえていて素敵だなぁと。声を張る力が強くなって、軸自体が太くなったような。ナイツ・テイルで磨かれたものは歌唱力や物語の連続性(これは反面教師で←)、多声を重ねる魅力や歌で場面を表現することの力とか…沢山あったのかなぁと、このSHOCKを観劇しながら色んな瞬間で感じていました。

・役柄と本人がクロスする演目なので、序盤コウイチがオフブロードウェイで上を目指してる感…には年々素直に感情移入できなくなっていくのかもしれないと思います。現実の光一は40歳で芸能界でも暦年輝きジャニーズアイドルの中ではベテランの域にいるから。オンに上がってステージを見せるあたりからしっくりき出して後半は泣くけど。泣いたのは、精神をこの瞬間に張り詰めて濃縮してフライングする光一さんの姿に圧倒されるのと同時に、あと何度、こんな風に麗しく力強く飛ぶ光一さんを見られるのかなあ、と同時によぎったからかもしれません。SHOCKという演目は、(世間の言う)派手なステージングを続ける難しさと、夢を追う若者という物語の始まりに年々向き合っていかなければならないのかもしれないと思います。だからユウマがライバルと聞いたときは(誰が悪いでなく)それをどう物語として成立させるか考えたりして(けれどチケットが当たらず観劇は叶いませんでしたので、未来の宿題にしたいと思います)。

・梅田さんリカは、お芝居→コウイチすき!な女子でかわいい!なんか私の中のリカは大人っぽいよりカワイイきゃっきゃしてる感じのイメージで、うめリカはそんな感じ。歌→男性の中で女の子の声!として目立つ感じだった。コウイチとの声の対比もそっちの方がバランス取れてて好きかなと…ミュージカル的発声がさらに加わったら更に素敵。ダンス→パンフでもご本人が触れていたけれど、アイドルとして求められるダンスとSHOCKで求められるダンスは違うのだなぁと実感。とめはねはらいがもっとくっきりはっきりしたら素敵だと思う。なんにせよコウイチとの体躯のバランス含め、男子の中の女子としての花!を感じながらみたのでかわいいな~~な感想でした🌷 そういえば男子は本人の名前で呼ぶけど女子はオーナーとかリカとか名前固定で違いがあるのはなんでかな~~。

・内くんライバルははじめましてでした。感情でコウイチに向かってる感じが溢れてて、いい意味でコウイチに勝てない惨めさとかを体現されてる感じが印象的でした。ほんともうなんか、序盤は勢いとか熱量!な感じがだんだんぐじぐじ湿ってる腐りかけてる感がひしひしで、、(褒めてます)こちらもご本人が太陽と月を比喩にされていたけれど、陰と陽とかそういう感じだなと思いました。コウイチとウチ、どちらがどちらに転ぶこともあったり。

・オーナーは美波里さん~~~でいつもステージの世界に安心して誘ってくださるなぁと(*´`) 男声が多いので、声に関してはソプラノなリカに対しオーナーはアルトな感じでかつ素直なリカと癖のあるオーナー、の対比が美しかった。

・登場の豪華さは一昨年のほうがあって、今年はキャストの一体感を感じる印象。アドリブ的なパートはきっと減っていて。あと本ステージは光一さん前髪なしの両サイドに流して分けver。

・ONE DAYの後のアドリブ、今日はフクダが何も言わずはけていって、え?!な感じでオーナーに話しかけられても2、3度はけた方を全身で振り返るコウイチ(笑)身体の動かし方が大仰でかわいい(笑) 光一さん無防備に全身で振り返るときめっちゃきゅーとよね…(ときめき)

・緩急の締めるところが凄まじいからこそ、台詞から歌に変わったことで回数の減った貴重な緩いシーンのかわいさ楽しさが際立つ。ブロードウェイの街で長いベンチに並んで座ったコウイチをどんどん端に寄せて座りなおしていくリカ女の子で可愛いし(たじるコウイチ含む)、病院から戻ってきたコウイチが額に入った自分の写真(前髪ありver。去年のかな…?)を顔の前に持ってきておどけて喋るのとかかわいい。

・DOBの「Our dreams are finally coming true」のところが飛んだ光一さん。歌詞とびというよりは喉が引っかかった感じ?「さぁshowをはじめよう」から滑らかに歌を続ける光一さん。

・階段落ちの後、コウイチが倒れるシーン。今回は階段に仰向け大の字で崩れるラストだったけれど、個人的には腕を虚空に伸ばしながら床下に吸い込まれる演出のほうが好き。“終わった”感があって。

・ヒール好きとしては2幕冒頭のシェイクスピアパートが好きすぎて。押しが「絶望して死ね!」って悪意に満ちたカオして言うんですよ…(喜)なので剛さんの高杉もえ~悪役やん~~嬉しすぎる~~~!!!って観たクチです。

・コウイチがもう死んでいることを認識するシーン、光一さんのお芝居の生生しさが増していたように思う。一番最初はは?と冗談だろと言わんばかりに斜めに素っ頓狂な声音を出して、笑って、だんだん無言になって、そしてその事実を見詰めて。それでも消える最後の瞬間までステージに立ちたいというコウイチは紛れもなくコウイチなのだなぁ。このシーン、ステージに立つ一人一人が切迫した思いを抱えて立っていて、その緊張感や重さは客席まで届いて水を打ったような静けさになっていたと思います。

・光一さん頬がちょっと痩せている感じがして、なんとなく疲労たまってる頃合いだったのかな…みたいな。フライングの迫力もひとつはそこに起因しているのかなぁ。2階席だったので演目全体のバランスとか、フライングしている光一さんの表情や手足の動きがよく見えた。2階席に着地するのほんと息をのむ…左側から凝視した麗しい横顔。

・夜の海が美しすぎて泣いた。観劇中やライブ中は泣くと視界がぼやけるから泣かないように…!といつもしているのだけど我慢できなかった~~

 

 

すこぶるとっちらかして書いてしまったけれど(唐突に締めます)、総じてこのSHOCKという舞台に光一さんが毎年日々命を賭していることを観劇するたび身震いするほど感じるので、だからまたあの瞬間、感情を抱えたいと思うからこそ何度も足を運んでしまうのだと思います。

2019年のSHOCK、まずは帝劇公演が大過なく恙なく、幕を下ろすことができますように。

 

 

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光一さん、なんとなく頬の肉が削がれていたような。2年振りのSHOCKでしたが物語はより硬軟を深め機微を明らかに、光一さんの肉体表現はより真に迫ってきたように感じました。歌声は多声の中でも以前より輪郭濃く、存在を感じて…ナイツ・テイルを経てかなと思ったり。

前回は物語の顛末見聞きせず観たのでそちらに意識が向いていたけれど、今回はそこに至る物語としてみていて途中で泣いてしまった…前回泣かなかったのに( ・ ・̥ ) 光一さんの感じる美学がSHOCKの中には多かれ少なかれ詰まっていて、だからコウイチも光一さんも気高く美しいんだなぁとひしひしと思った

あと高音ファルセット効かせてメロディ紡いだ瞬間に背中に走るものがあって、くっと胸を掴まれて。あ〜光一さんのこの歌声好きなんだ〜〜、て改めて実感しました。「I」を初めて聴いたときにぞくぞくしたやつ。あんまり前面に披露頂く機会が無いので押したい…光一さんの絹糸のように滑らかな高音…

具体的には夜の海の「In the deep blue ocean I can feel my loneliness」のとこ。あと「そっと風が 問いかける」の言葉尻の音に合わせてくるん、と回転するコウイチに、赤い生地に細やかな金を煌めかせ衣装がひらりと追いかけて回る感じも好き。はじまりとおわりの環を思い浮かべたりして

ぞくぞくで言えば1幕ラストとか2幕頭とかの、演技でしか聴けない発声も台詞もとてもすき…光一さんお芝居で頭脳犯演じてくださらないかな…ラストで全て明らかになって螺子外れちゃうタイプの(ただの個人趣味…昔からの空想はキラ光一×L剛)

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