The love that breathes

例えば空を見上げるような.

君と僕の夢

夢/覚書/腐表現注意

 

今朝見た夢です。前置きが長くすみません。

登場人物はFree!というアニメの遥と真琴というキャラクターですが、時々真琴の視点に入り込みながら、そして何より遥を剛さんに重ねながらずっと夢を追っていると自覚し一部始終を感じていました。剛さんにしては遥は言葉足らずでぶっきらぼうだったり、光一さんにしては真琴は感情が饒舌で優しすぎるのではありますが。多分2人で見る夢としては耐えられなくて、別のキャストでそのキャストの性格を少し反映させながら、見ていたのだと思います。そのためこのキンキごとのブログに忘備しようと思った次第です。冒頭の通り、一部偏った表現が出てきますのでご注意ください。不快な気分になる方もいらっしゃるかもしれませんが、夢で見たことをできるだけそのまま鮮明に書いた結果ですので、どうかご容赦ください。

 

 

 

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遥と真琴は唯一無二のアイドルデュオ。真琴はスタッフの会話で、遙が立体音響装置(音楽を聴くことで目前に立体的が表れる)の表現を追求するため今これ以上2人での活動を進めるつもりがないことを聞いてしまう。胸の中に詰まっていたものがみんな零れ出てしまったような感覚を覚えながら、真琴は事務所を出る。目の前、大きな道、同じ側の歩道の遠く向こう。点滅する横断歩道を前だけを向いて走り渡っていく遙。駆け出す遥を見詰める真琴の視線には気づかない。

 

眠る真琴に囁く遙。「真琴」「ん?」寝惚けた頭でも遙の声はクリアに響く。「立体音響装置を試したくて」その言葉に、ああ最期なんだなとおもう。「うん」頷くことしかできなくて。立体音響装置はヘッドセット型。色違い、揃いの装置を2人とも付け、隣にぴたりと並んで床に座る。遙が少し無機質で、けれど心が通っていると分かる美しい歌を紡ぐ。程なく自身の面前に6つの様式の異なる立方体が浮かぶ。美しく光の透けた、淡い色の幾何学模様。遥の心、一見ぶっきらぼうに見えるけれど、不親切な感情に見えるけれど、よく見ればそれは遥だけの形、遥だけの美しい色だって。僕は分かっている、誰よりも誰よりも知っている。ずっと傍に、隣に。ほかの誰でもない僕だけが、立ってきたのだから。そう真琴は心を滲ませる。「見えてるよ、ハル」「うん」頷いて、徐に遙の顔が真琴に近づく。真琴は目を潤ませながら「キスしたら、ハル居なくなっちゃうんでしょ」小さく震えた声。嫌がるように振り絞ったその言葉に、遥は応えてくれなくて。そのまま薄く体温の低い遥の唇が真琴の唇に重なる。その瞬間、真琴の瞳から一滴、涙が零れた。

 

重なる体温。互いの熱を含んで愛を紡ぎあって、それから遥が真琴を貫いて。遥しか聴くことのない、真琴の声。堪えることができなくて、俗に嬌声と呼ばれるそれがひとりでに真琴の喉から零れる。泣きながら遥の愛をただ一身に受け止めていた。もしかしたらこれが最後なのかもしれない。遥が真琴の隣で、見え難い、けれど確かにある感情を揺らして歌い踊ってきたこれまで。ときにこんな風に直接的に愛情をぶつけ合って。2人だけでここまで歩んできたのに、遥はこれから一人で、独りきりで遥の夢を追う決意をしたのだと。心の中の感情を、愛情も信頼も感謝も、みんなみんな真琴に預けるように遥の体が真琴を貫いていた。真琴の体が遥を包んでいた。 

 

いつの間にか眠りに落ちていたようで、一糸纏わぬ姿の遥が自分の体に肌掛けを下ろした、絹が触れる感覚で真琴はぼんやりと意識を取り戻した。「もう少し寝てて、いいよ」優しい遥の声に、これまでを忘れてただこの瞬間だけ安心して。再び真琴とは意識を手放した。

 

 

数か月後。会食で真琴は遥と再会した。7人が円形のカウンターに並ぶ鉄板焼きの店。真琴が女性マネージャーと店内に入ると、右端の席にいつもの無表情で座る遥がいた。表情には表れていないが、面倒だなぁと思っている感情が読み取れてしまって真琴は内心笑う。それから左に目を移すと、小柄で赤髪の、遥より少し年下の頃に見える青年が遥の隣に座っていた。「え~遥サン凄い店っすね!よく来るんすか??」きょろきょろと店内を忙しなく見渡し、小虎のように落ち着きがない。記憶を辿ると事務所の新人で、遥のことを尊敬しよくひっついているアイドルがいると小耳にはさんだことがあった。胸に浮かんでいる靄を自覚しながら、真琴はマネージャーを左端に、その右側に腰かけた。

それから事務所の役員・スタッフ数名が揃って会食が始まった。スタッフの会話に相槌を打つ仕草の中で視線だけはずっと遥を追ってしまっていると、真琴は自分の行動に気づいていたが変えようがなかった。マネージャーがそのことに気づいていると感じていても。隣の小虎が、食事や会話の一挙手一投足で遥に質問したり同意を求める忙しなさに濃くなる靄を覚えながら、真琴は進まない食事を続けていた。

 

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